お互いに本好きということもあり、その友人とは小説についての話が盛り上がった。
 「お前は本多孝好に似ている」と言われた。実際に読んでみて、なるほどとか思った。
 それから後は、飲みつつ語った。その友人がゲイに襲われそうになった、という話を聞いて僕は『掘られれば良かったのに』と思いました。
 その友人とは『メタルギアソリッド』と世界平和と9・11と核とマトリックスと日本の物語の特質についてとデスノートについてとニュージーランドの日本アニメオタクについてと日本語の進化の行き先と死の重さについてとベルセルクについてと故郷についてと留学についてと記憶についてと日本文化の基本精神と飲み屋の構造についてと恋愛経験についてと貞操感についてなどを語りました。
 それから、その友人に今書きかけの小説を読んでもらいアドバイスを貰った。主人公の過去のエピソードは省いて、一日ぐらいは主人公を部屋に寝かせて、翡翠みたいなメイドを一人追加しようと思った。それに付随して新たな構想が浮かんだ。新しい登場人物として民俗学者を追加して日本神話を盛り込もうと思った。もう、スティーヴン・スピルバーグにも負ける気がしない。