否定論
自分の行動が、前提から間違っているような気がしてならない。金銭のやりくり・趣味の比重・価値観・他人。
自分がいつも間違っているような気がするから、「変わること」にあこがれて、「いつもと違うこと」を楽しもうとする。それが次第に日常を否定することにつながって、日常を生きることしかできない自分がさらに信じられなくなる。
だから、非現実的なこと・抽象的なことにさらにのめりこむのかもしれない。
けいおん!! 第8話 「進路!」
いまどきのアニメの内容だなぁって感じがした。
これが一昔前のアニメだったら問答無用で「私、ミュージシャンになる!」ってなるはずだもの。
プロの○○になる。優勝する。的な話はもう効力を失ってる。サッカーにしてもバスケにしても優勝するのは一人。漫画にあこがれて何をするのも勝手だけれども、相手だってそうでないとは限らない。
お互いが「主人公が優勝する物語」の中で生きているのにもかかわらず必ずどちらかが負けるという矛盾。そういう矛盾に自覚的になった瞬間にもうこの手の話は終わりなんだと思う。
そういった意味で「ウォーターボーイズ」っていう映画はよかった。あれは他者から与えられたものでもなく他人を負かす話でもない。いい意味で自己完結的な目標の中でそれをこなす事がテーマになっていたから時流にあってた。たいした発明だったと思う。
それはそうと放映時間が30分早くなる。間に合うかな…。
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昨日お金を盗まれた。ゲーセンで落としたらしい。気づいて店舗に戻ってみたら中身が抜かれた財布だけがあった。GW前にお金をおろしておいた状態だったから結構大金。約七万円なり。お願いだから返してください。
涼宮ハルヒの消失
この作品はキャラクターのための物語ではなくて、ストーリーのための物語、あるいは視聴者のためのストーリーなのではないかと思う。乱雑粗悪な物語があふれ返る中、「物語とはそもそも何なのか」ということに対して非常に自意識的な内容であったと思う。
この作品で重要なのはキョンの立ち位置を引き摺り下ろすことだったように思う。キョンというのは、巻き込まれ役・傍観者・語り部という「安全」で「イタく」ない立ち位置にいながらエンターテイメントをしているというズルい状況に置かれてる。
どんなに「イタい」行動をとりながらも『やれやれ』という独白を吐けば責任を転嫁してしまえるという非常に不健全な状態に彼はいた。そういったキャラクターを視点にして物語を進めていくのは視聴者にとって非常に良くないと思う。
そのために今回は揺さぶりをかけた。自分の行動に責任を取れるようなストーリーの中で自意識的を芽生えさせる。というのが目的だったように思う。
そしてその目論見は失敗している。長門のエラーの原因が『本当は』どこにあったのか、というのは未だに疑問は残る。
キョンの独白を信じるなら、それは「人間と接触して芽生えた感情」としている。
世界改変後の「人間の」長門に図書カードを作ったということ。そういった世界を作った長門の意図を汲み取れていないキョン。
結局「覚えている、というのは簡単だが…」と独白しながら結局覚えているとも覚えていないとも答えずにその場を逃れ、文芸部の入部届けも出さず、誰かを愛しているとも言わず誰かに愛しているとも言わせない。アニメや漫画を志向する人間の典型的な着地点であるようには思える。
そういった意味でキョンの自意識の芽生えは今回は失敗だった。つまり、まだキョンは「大人として責任を取らなくてもいい状態」を選んだ。
結局、物語の中で私達が見ていた「キョン」が長門に修正プログラムを打ち込むシーンは描かれなかった。「ハルヒの特製鍋を食べるまで待ってくれ」という最後の台詞が非常に暗示的。
今回のハルヒはキョンが「視点」ではなくて「キャラクター」になった。という程度の内容にとどまってしまったのではないかと思います。
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騎士は恋情の血を流す The Cavalier Bleeds For The Blood
- 作者: 上遠野浩平,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/08/06
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群像劇の形をとりながらそのキャラクター一人ひとりがちっぽけでどこかあわれを感じさせるのはやはり上遠野浩平だからこそできたことだと思う。
彼の書く小説はいつも「世界」がテーマになる。
つまり僕たちが住む世界がテーマになる。毎回毎回超能力者が出てきたり、意味深ななぞの組織が出たりとなかなかせわしないがそのどれもが毎回ちっぽけだ。
不器用な少年、気難しい少女、諦観してしまった大人たち、世界はいつもせわしない。そのせわしなさの影でいったいどれだけの人間らしさというものがどれだけ残っているのだろうか。
人間が作った社会なのに、人間が置いてけぼりにされている現状。そしてそのことをいつまでもだらだらと考えつづけている大人になりきれない大人、もしくは変に諦観してしまった少年。
出来上がって世界の上に生きていて、もう何も作ることも壊すこともない。
不足はないが、そのことのもどかしさ。
その正体不明感をうまく物語として成立させる巧妙さと筆力が上遠野浩平の持ち味で今回はそれが遺憾なく発揮されている。