ウディ・アレンの重罪と軽罪

 題名に引かれて借りたこの映画が滅茶苦茶面白かった。皆さんにも是非、観てもらいたい。
 観てもらいた過ぎて、どう紹介したらいいか困ってる、迷っている。


 取り合えず、理屈っぽい内容ではあります。
 ただ、その代わりに、人の生死をとても丁寧にそして重たく描いていて、ぐいぐいと引き込まれます。


 この作品は二つのストーリーに分かれていて、
 一つが「地位と名誉を持つに至った歯医者」、もう一つが「反戦などお堅いテーマを貫く地味な映像作家」
 主に歯医者ラインで殺人・罪の「実践」を、映像作家ラインでそれらに対する問いかけを映画の登場である歯医者にではなく、視聴者に投げ掛けるという見事な構成。
 

 散りばめられたテーマも辛辣で遠いようで近いモノばかり。


 最後にこの二人が出会うパーティ会場で、互いに投げ掛け合う人生への疑問が見事にマッチ。
 

 よき映画には感動も笑いもありません。
 ただ、観客へ深い疑問を刻みつけてくれるものです。