著書紹介 ヘルマン・ヘッセ『デミアン』デミアン (新潮文庫)作者: ヘッセ,高橋健二出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/12/04メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 322回この商品を含むブログ (107件) を見る

 ヘルマン・ヘッセといえば『車輪の下』が有名ですが、私はこの『デミアン』という小説を皆さんにお勧めしたいと思います。

実際に生きている人間とは何か、それは唯一の貴重な試みの一つである。

 という趣旨の出だしから始まるこの小説は『車輪の下』と同様の青春小説の一つです。
 この『デミアン』とはいわゆる『デーモン』をもじったこの物語に登場する人物の名前です。
 私がこの『デミアン』を勧める理由なのですが、下手に物事を断定的にしない所がいいのです。『車輪の下』は逆に青臭さのための小説であり、あの結末あの内容なのですが、この『デミアン』の中では青春の光と影を織り交ぜながら、とても真っ直ぐに現実と理想を見つめる著者の崇高で誠実な考えがゆっくりと読者に染み渡ってくるのです。
 皆さんもぜひどうぞ。