本探し

 ちくま文庫岩波文庫あたりに訳つきで『稲生物怪録』を文庫化して欲しい。ちょいと調べてみたのですが、『稲生物怪録』そのものを純粋に取り扱ったものが見当たらない。絵巻物の写真を収録したものならいくらかあったのですが、それらの本はいずれも五千円〜一万円強と学生の私にはちと辛い。お勧めの本があったら教えていただきたいんですけれども。


 で、何で急に『稲生物怪録』かといいますと『朝霧の巫女』の影響です。
 また、以前から妖怪とか妖精とか精霊とかいった話も大好きで、角川ムックの『怪』という雑誌も講読していました。そのうち段々と、日本の妖怪とかいったものについて本格的に知りたいと思うようになり、これはちょいと読んでおきたいという気になった次第です。
 どうにもこの『稲生物怪録』というものは日本の土俗文化にとってとても重要なたち位置を占めているようなのです。
 数々の小説家がこの物語にインスパイアされて作品を遺しています。あの芥川龍之介も友人に当てた手紙の中に「今、図書館で『稲生物怪録』という本を読んでいるんだがなかなか面白いよ」と残しています。泉鏡花なんかもこの作品にインスパイアされて『草迷宮』という短編を残しており、興味深いのです。


 この作品に目をつけた宇河弘樹さんもなかなかのセンスだと思います。
 『朝霧の巫女』の中でもそれら妖怪が出てくるのですが、これがなんと原作ときちんと対応していることに驚きました。
 参考URLはこちら(http://www.m--m.jp/ami/i_30days.htm
 切腹とか全自動臼とかにも元ネタがあったなんて驚きです。


 ところで、芥川龍之介がこの本を読んだのは21歳のことだそう。
 うわ、私が22になるまでに読んでおきたいです。(残り、三ヶ月と約一週)