読了 ボードレール『若き魔術師』

 「はまぞう」で検索しても出てこなかった。どうやら絶版書だったらしい。いい本が読めたと喜ぶべきなのだろうか。


 外国作家―ことにキリスト教文化圏にはやたらと人間性を断定しすぎる傾向にあると思う。それが西洋的な聡明さで、説得力もあるのだけれどちょっと僕にはそういうのは苦手だ。

 不信はしばしば愚者の悪癖であり、軽信は多く智者の瑕瑾である。智者は無限の可能を達観するが、愚者は現実性の可能をしか認識せぬ。(ディドロの諌言)

 この言葉がこの小説内に引用されていたんだけれど、なかなか難しい奥深さがあると思う。