マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/05メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 336回この商品を含むブログ (415件) を見る

 ジャンルオーバー型のライトノベル出身者として冲方丁さんは以前から気になっていた。原作とかも数多く手がける姿は「資本主義の中での創作」というものについて考えさせられる。エンターテイメントとはなんだろう、とか。


 てなわけで、この本を手にとって見たのがこの本。日本SF大賞。SFにはどうにも、エンタテイメント的なガジェットしか思い浮かばなかったけれど、作中で「人はなぜ生きるのか」的な問い掛けがあったのが意外だったし、そういう内容が好きな自分には面白く読めた。
 また、参考文献に『レイプ・男からの発言』とか『東京夜の駆け込み寺』とあり、はて?これはどういう小説なんだろうなともう一度読み直す。
 大学の授業の社会学の中でジェンダー論を取り扱う先生がいて、自分はたまたまそれを受けたんだけれど、結構面白かった。女性と男性という問題は思いのほか重たいのだと認識させられた授業だった。その授業では課外授業もあり、結構熱心な先生で色々考えさせられていた。
 その事をこの小説を読みながら思い出していた。
 ジェンダー論についての興味があれば、なお一層楽しめる内容かもしれない。


 また、SFの面白さをふんだんに盛り込んだアクションシーンも楽しかった。