妄想代理人第1話〜第4話

 DVDのジャケット裏のあらすじを読んで「コレは面白そうだ」と飛びついてみた。最近は時間もお金もないせいか、作品を選り好みするようになってしまった。仕方のないこととはいえ、いい傾向とはいえないね。


 作品自体に大きい仕掛けが施されている見応えのある作品は好き。サスペンスとして視聴者の思考を促す作品。
 また、それ以外の点を取ってみてもとても面白い要素が詰めこまれているように思える。
 通り魔事件が起こるんだけれども、それぞれの被害者にはどこかスケープゴートを求めるような不安定な心情が見える。この社会の中で生きていくことは大変で、昔ならたとえば「魔女狩り」なんてものを持ち出して自分の不幸の理由を求めた。
 ところが現代というヤツはあいにくと理で押し通してしまって、そんな馬鹿げたことはありえないこととなってしまった。
 そんな追い込まれた状況下で「少年バット」は現代日本のメディアの特質を媒介として、人間の精神から精神へ滑り込む。
 一人称的な視点と三人称的な視点。


 また、少年バットを追う二人の警官がいるのだけれど彼らのスタンスも面白い。一人はベテランらしく「事件には因果関係があるんだ」だとか「理由があるんだ」としきりにいうが、もう一人の若い警官の方はそういう見方をしない。
 作品の複雑さが「現実」を相手にするのに有効な武器となっている稀有な作品。
 OP曲もやたらと耳に残る。全然退屈しない。


 しかし、まだ4話しか観ていないのにこんな感想を書いて大丈夫なんだろうかと自問自答。