不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,TAGRO出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/10/10メディア: 新書購入: 5人 クリック: 120回この商品を含むブログ (218件) を見る

 読了。正直、『刀語』に物足りなさを感じていたのでいいタイミングで発行してくれたと思います。
 個性的なキャラクターを魅力的に描きつつ、事件発生後に一気にそれを反転させて見せる人間の素朴さは、果たしてリアルさを求めた結果なのかエンターテイメント性を追求して見せたのかが分からないところが西尾維新らしい不気味さを持った作品です。
 キャラクター達の行動規範が分かるような分からないような適度な阿呆らしさとトチ狂いっぷりです。
 西尾維新はやはり「歪んだ一人称」視点の小説で真価を発揮するのだと思いました。
 物事をグレーゾーンに置きつつ、「後はどうでもいい」からサイコロを振るように物事を進めようとした主人公とか。
 まあこれが「僕たちの世代」ということで。