世界の中心、針山さん (電撃文庫)作者: 成田良悟,ヤスダスズヒト,エナミカツミ出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2005/10/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 22回この商品を含むブログ (135件) を見る

 久々に刺激的な小説を読みました。
 脇役でしかない人物を敢えて軸に据えた構成。全四話構成なのだが、それぞれの話は完全に独立しているにもかかわらず脇役だけが共通した登場人物であるという変わった構成。
 それがただ奇をてらっただけではないということは読んでみれば分かります。
 特に孤島舞台とした第三話『拝啓、光の勇者様』が傑作。
 「都心から離れた田舎」を舞台に据えたノスタルジー物は大分使い古された手なんだけれども、サブカルチャーの現状を踏まえた新しい解釈の元、『ハルヒ』軽く突破して新しいサブカルチャーの足がかりを示して見せます。


 とはいえ、文章はかなり拙い。語彙の不足、表現力の乏しさ、貧相な文体が少し残念です。