猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)作者: ジャンニロダーリ,関口英子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/09/07メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 26回この商品を含むブログ (58件) を見る

「じっくり考えてみなさいよ。まだ上手に歩けなかったころ、尻餅をつくとお母さんはあんたのお尻に四十点って書いたわけ?」
「書かなかった」
「それでも、ちゃんと歩けるようになったでしょ?」

 イタリアの童話作家、ロダーリの短編集。短編の一つ、『お喋り人形』。クリスマスにプレゼントされたお喋り人形が、魔術によって本当に「お喋り」しだした話。


 他にもこういったユニークな童話が15篇。そのどれもが、大人の滑稽さやくだらない固定観念を笑いつつ、本来あるべきはずの価値観の多様性の大切さに気づかさえてくれます。
 若干今作は方法論に準拠しているため少し無機質な感じが僕にはしました。児童文学にとってこれはあまりにも大きな失点になるとは思います。