面接中に読書の話になるとよく月に何冊読むかと聴かれるのですがこういう質問をする人は読書の楽しさを知らないんじゃないかと思います。
 武者小路実篤の本も、ドストエフスキーの本もそれぞれ分量が違うのにカウントは同じ「一冊」です。
カラマーゾフの兄弟』なんか刊行レーベルによっては5冊になる場合もあるのに短編は物によっては一時間ほどで一冊読み終えてしまえる場合もある。他にも内容の濃密さも分量もそれぞれバラバラなのにその人の読書への力の入れ方を「冊数」で図ろうとするのはお門違いだと思います。


 読みかけや買ったまま放っておいて、その後気が向いた時に読んでみたらそれが今の自分の心境にがっちりはまった時の感動は筆舌に尽くしがたいものがあります。
そうやって本の選び方・付き合い方を磨いていくのが本当の読書の妙だと思います。