キャラクター論・小説のキャラクターとこれから

　西尾維新の小説・戯言シリーズは最初のクビキリサイクルがメフィスト賞を受賞した2002の2月から、現在も尚刊行されているライトノベル風ミステリー小説だ。
　今日立ち読みした雑誌では、その小説を創ってきた西尾維新さんの作品への真摯な姿勢が伺え、なかなか得る物も大きかった。
　さて、西尾維新さんの小説の特徴として「言葉遊び」があるのだが、キャラクターの名前にもそれが反映されている。それが作品テーマなどにも反映されていて物語りに奥行きを加えると同時に、遊び心も感じられ、物書きの独り善がりに陥りがちな言葉遊びの稀有な成功例だと思われる。
　キャラクターの名前が面白い。この作品を知っている人しか通じない書き方で申し訳ないが、玖渚友（ユウ→You：あなた）に始まって、いーちゃん（I：私）。Iはローマ数字の１（Ⅰ）と同じ形なので、それに対するキャラとして零崎(0)。しかし、同類でもあるので人識（等しき）とどんどん幅を広げている。兎吊木垓輔（移り気な概数）なんてのもある。西尾維新は言う「名前は魂だ」