読了報告 西尾維新「きみとぼくの壊れた世界」(ISBN:4061823426)


 相変わらず表紙の太ももがエッチィな感じ。
 一日遅れの読了報告です。


 今回は、高校生を主人公にし、学園モノとしての雰囲気を大切にしながら、数沢六人殺害事件を主軸に、妹との近親相姦、病院坂黒猫とのミステリー問答などを絡めた内容。
 最初、同じ西尾維新著の戯言シリーズクビシメロマンチストISBN:4061822500)」のような恋愛のいざこざのドロドロしたものを想像させたが、そんなことも無く、案外あっさりテイスト。
 今回の見所がやはり「友情」
 殺人事件の疑問点、犯人の動機が、そういうモノと絡んでくるのはなかなか面白いです。
 しかし、ストーリー展開と文章が、西尾維新らしからぬ歯切れの悪さ。似たような内容を延々と繰り返す小学生のいっぱいいっぱいの作文を読んでいるような気分になりました。
 今回は特に際立った個性を持った登場人物も無く、じっくり腰をすえて読めるものの、果たして櫃内夜月と病院坂黒猫のキャラクターは如何なものか。メインの登場人物であるはずの、琴原りりすと迎槻箱彦がそのせいで雲に隠れちゃっている感じ。
 主人公―櫃内様刻の内面描写も一辺倒な感じがしてマンネリ。清々しい内容のはずなのに、そこが足りないせいで、その清々しさが伝わってこない。
 どちらかといえば「救い」の物語に分類されるはずなのに、キャラクターの内面描写とか、性格設定がちぐはぐしていて、そういう感じを受けない。非常に残念な内容。