読了報告 ドストエフスキー「白夜」

 ドストエフスキーって、現代日本人でいうところの「引き篭もり」にあたる人間なのではないのかと思った。
 ただ、ドストエフスキーが生きていた十九世紀のロシアにはアニメや漫画、ゲーム、インターネットといった所謂「逃げ場所」が無かったから妄想の方向がいい感じに社会的な方向に流れていったのではないのかと思う。
 今回の「白夜」なんかがまさにそうで、この作品はきっとドストエフスキーの妄想なのではないのかと思う。創作というのは多かれ少なかれ妄想ではあるけれど、「白夜」に表われている妄想はつまり、男が自分の理想の女性を妄想する類のモノなのではないのかなぁ、と思いました。