ガラスの小瓶について考えていた。
 何も入っていないガラスの小瓶の中には空気が入っている。
 その空気はどこにでもあるものなのだが、何か入れ物をして初めてその存在に対して僕達は自覚的になれるらしかった。
 しかし、そのガラスの小瓶がどこまでも綺麗に透き通っていたのなら、僕達はそのガラスの小瓶の存在に気がつかないということもあるのかもしれないと思った。
 手を伸ばせば、そこにあるのだが気がつかないということも多々あるのかもしれない。