押井守『ケルベロス 地獄の番犬』

 なんだか、よく分からないのだった。はてなダイアリーのキーワードをみたらこの人の作品は難解らしいので、私ごときが作品を理解しようなんていうのはおこがましいにもほどがあるらしかった。

 
 恐らく時代に翻弄される人々のことを描いたのではあるのだろう位のことは分かった。
 人間はこうして繁栄しているらしいのだけれども、効率化により画一化で多様性を失っていく人々。
 こういうものに抵抗する人もいるのだけれども、そういう人々が『負ける』のは歴史の必然でもあった。
 それでも文化は生きることを強制させる。それに抗おうにも、どんなに反社会的であろうとも、既に国が作ったコンクリートの上を僕達はいつの間にか歩いているし、物を食べるにはお金がいるらしいし、そのお金を手に入れるためには働かなければいけないが、その労働に準じるという行為が実は歯車に組み込まれるということであり、何よりも反社会的な人間が嫌う事らしく、僕達は知らず知らずのうちにそういう人達を踏みにじっているらしいのだった。


 『人狼』に似ていると思った。パワードスーツを抜きにしても。


 ところで千葉繁が生で出てきてビックリした。サングラスをかけていればそれなりにカッコいいのだった。背は低かった。
 しかし、アニメでの千葉繁に慣れ過ぎている私には、なんだか実写の映像から声が浮いているように聞こえるのだった。
 これは駄目絶対音感の弊害である。この前の二時間ドラマには白鳥哲が出ていたのだが、やはりそのときも声が浮き出ていたが、脇で観ていた母は違和感など感じないらしいのだった。