もうすぐ読み終えそう 白石一文『一瞬の光』
- 作者: 白石一文
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
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この人の書く何故か途中で日本経済に対する愚痴が出てくることが多い。なじぇ?
著者紹介によるとこの人は早稲田の政経を出ているのだそう。この人の人生に何があったかとても気になる。
そういえば、余談だけれど著者紹介は自分で書くものらしい。このことを知ってからは、小説に限らず漫画とかでも「何こいつ、自分で実力派だとは期待される気鋭だとか書いてんの? だっせ〜」とか思うようになったのだけれど別にすべてに当てはまることではないと思いたい。なまじ、好きな小説家や漫画家の欄にそういうことを書いている人がいるだけに。
で、この小説の白石一文なんだけれど、『僕の中の壊れてない部分』では「小説の役割を大事にする云々」とか書かれていたけれどそういう風刺のことを言っているんだろうか? まあ、いいや。
で、肝心の中身だけれどとても面白い。センチメンタルなところがなくドライなんだけれど、登場人物達の物の考え方の違いを、地の文ではなく、セリフや行動で表現していて底を読み取る面白さでグイグイと引っ張られる。
今はもうラストの部分なんだけれど、そのラスト辺りで登場人物の人格形成の背景が淡々と明かされていって、「なるほどなぁ」と思わせる一品なのです。特に引用が効いている。
いい小説だから色んな人に読んでもらいたいなぁと思うので、とりあえず孫引き・引用したいのをグッと堪えています。