引きこもる若者たち (朝日文庫)作者: 塩倉裕出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2002/06/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 36回この商品を含むブログ (13件) を見る

 ノンフィクションで泣きそうになったのってこれが初めてかもしれない。


 この本の中で著者は「引きこもっている青年の声を『外界に届けるためのパイプ』と位置づけているらしいのだけれども、ほとんどが取材と簡単な解説に終始していて、世間一般を見渡した上での冷静な分析とか解説とかが見られない。これでは、世間の同情を買うことは出来ても、具体的な解決には結びつかないんじゃないかな、と思う。
 他人からされることの全てが裏目に出る、という状況はなかなかに難しい。案外、そういうことを難しいと考えている時点で、つまりはそれらを何とかしようとしている時点で社会というのは失敗しているのじゃないかと思う。
 じゃあ他に何が出来たんだろうね、と考えてしまう一問一答式社会の苦悩というかなんと言うか。