「若者たちはなぜ死に走るのか?」なんてずーっと前から、何回も何回も何回も何回も言われてきた。そのたびに、たとえば70年代なら「三無主義(注:無関心・無気力・無責任)」とか「シラケ世代」みたいなことが結論めいて言われた。最近の流行は「死に対する感覚が、それまでの世代とは根本的に違ってきた」だ、だけど、「どうして自殺しちゃいけないのか?」「なんで生きなきゃいけないのか?」という問いには、相変わらずなんの解答もない。
 (中略)
 前にも書いたけど、生きてたって、どうせ何も変わらない。エスパーじゃなくても、だいたいこれからどの程度のことが、世の中や自分の身に起こるのかも分かってる。
 (中略)
 こういう状況のなかで、もうただ生きてることに大した意味なんてない。もしかしたら生きてるんじゃなくて、ブロイラーみたいに"生かされてる"だけなのかもしれない。だから適当なところで人生を切り上げてしまうことには、「非常に悲しい」とか「二度と起こしてはならない」とか「波及効果が心配」とかいう類の問題じゃない。自殺はとてもポジティブな行為だ。(鶴見済完全自殺マニュアル』)