上と外作者: 恩田陸出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2003/02メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (22件) を見る

 現代的で日本的な内容だと思った。「子供」を演じる子供だとか、「親」を演じる親だとか、大人になるための儀式だとか、その包括する分野は多岐に渡っている。
 人類の在り方全体という壮大な視野を持ちながらを、展開されるのは親と子の確執だったりとそのギャップに戸惑いながらも、人間としての有意義な生き方についてぼんやりを我が身を振り返らせるだけの力がある。
 冒険小説の形態をとりながら身近な題材を取っているのが、面白さの根拠になっている。
 生き残るためのサバイバル展開が少しご都合的だなと思わせつつ、程よいまとまり方が多少ぬるくはある。この物語からどれだけ有意義なものを持って帰れるかが、読者にとってのサバイバルだ。