(2ちゃんスレより)ブギーポップ感想ブギーポップの子供たち

あのな。
若いときってのはいろいろあるわけ。
「やれなかったこと」がたくさんあるわけ。
クラス一の美少女とつきあってみたかったとか、
実は体育祭、学祭でもっとハジケてみたかったとか、哲学とか文学に
超詳しいハンサムな親友と、ビリヤードで朝までまったり
したかったとか。バンドで音楽活動に熱い魂をぶつけて
女にキャーキャーいわれてみたかったとか。

でもな、たいていの人間はそれができないわけ。
実は、87%くらいが「普通」な学園生活を送って何の感慨も
なく卒業するわけ。そうすると、ささやかな後悔が残るわけ。
そういうぼんやりしたあこがれとか、感情の残滓とかは
別に社会人とかなっても消えないし、残りつづけるわけ。
それはもう「決定的に損なわれてしまった時間」なので。

ブギーの根底に流れているのは、それだよ。
ぼんやりと抱いているモラトリアム時代、学園幻想への哀悼の念。
これがこの第一作を特別なモノにしているんだと思う。
かつてサブカルの世界では、東鳩というエロゲが流行ったことがあるが、
あれの世界観の魅力も根本的に同じじゃないかなと思う。

作品の共通項が、作者たち自身が絶対にそういった輝かしい時間を体験
していないということ。パラドックスなんだが、それがあこがれに終わった
からこそ、いつまでも感情が死なないんだ。初恋モノにはよくあるわな。

ちなみに現役の高校生であっても、そういった哀悼の念への共感は
(もちろん「実感」はないのだが、優れた作品は、それを引き出せる)
感じることができると思うよ。