―(タイトル未定)

 乾いた心が地中深くに根を下ろす
 その先に見つけたささやかな水脈
 空を舞う鳥を尻目に
 僕は水を吸い上げる


 その途中で気がついた
 僕の隣に花があった
 それがかつて自分が愛した花だったのだと
 気がつくのに時間がかかったのは
 その花が茶色くくすんで枯れていたからでした
 残り少ない地下水脈を僕が吸い上げて
 しまったからでした
 慌てて僕は自分の根を半分に切り落とした
 僕は少しだけ枯れて その花は少しだけ潤った


 共に歩き出す喜び、今やっと思い出した
 花が一輪だけでは
 人間に踏み砕かれる事もあるでしょう
 無機質なその響きに抗うためには
 一つでは足りない
 二つでは心もとない


 花壇を踏み荒らす事は罪なのだと
 思い知らせるためには