―(タイトル未定)

乾いた心が地中深くに根を下ろす その先に見つけたささやかな水脈 空を舞う鳥を尻目に 僕は水を吸い上げる その途中で気がついた 僕の隣に花があった それがかつて自分が愛した花だったのだと 気がつくのに時間がかかったのは その花が茶色くくすんで枯れて…

 終戦

終戦 僕が乗ろうとした 列車が行ってしまった 取り残された 駅のホームで 僕は立ち尽くす ちらりと見えた 車窓の奥の 人々の顔に あざ笑われているような気がした 遠くへと消えていく その鉄の塊は 飲み込まれるように小さくなった 荒い呼吸は収まらず それ…

アウト・プット、イン・プット

俺のメガネ どこにいったか知らないか? なぁ、お前も一緒に探してくれないか? 俺の大切なお気に入りなんだ。 え、そんな面倒くさい事をせずに 新しいのを買えばいいだろう、って? おいおい 二度も言わせるなよ あのメガネは俺のお気に入りなんだ フレーム…

Dry and Nutural or Pure

君の瞳が僕に向けられる。 僕はその澄んだ輝きから目を背ける。 君の瞳が怖い まるで僕を偽者だと見抜いているようだ。 ある日僕は街の中を歩いていた時に気がついた。 僕も誰かにとって この風景の一部なんだって そんな事、当たり前なのにさ。 皆、分かっ…

 ふと思った

ふと思った。 探し物が見つからないのは、 探す場所を間違っているか、 最初からそれが存在しないかの どちらかなんだよなぁ。

君が欲しがっているものはきっと 所詮、僕なんか持っていやしないのだから さっさと、どこか、遠くに行ってしまったほうがいいよ 僕が君にあげられるものなんて 君が欲しがりそうなものでもなく だから何度でも、世界は歪に曲げられる そもそも僕が持ってい…

日に照らされて 命縮める 昼の蛍 彼の輝き 世に示す能わず

 警告

お前が持っているその解説書は 一体誰が書いたものなんだい?

an-swer

僕が僕であるためには 戦わなくちゃいけない 今までは学校が 敵になってくれていた。 僕たちはただ、 試練を与えられただけの勇者 モンスターを倒して、経験とお金を貯める。 時間が敵だ。 今までは学校が 敵になってくれていた。 僕たちはただ 試練を与えら…

 The Wall

お前ら随分忘れちゃいないか 目の前にある壁の事を それは俺達が生まれた頃からあったのに 全然気づいちゃいないんだろうな その壁はいつだって 空気も光も塞いでしまって 音も形も遮った お前ら随分忘れちゃいないか 目の前にある壁の向こう側を それは俺達…

オポチュニズム

知っているだろう? 歌を歌われることで救われる人間なんか 極少数だという事を 今でも遠くの村に住む 水を飲むことすらままならない 人達がいるって事を 自分の姿を鏡に映してみな どうだい見事な豚野郎がそこに映るぜ 俺達はとんだ家畜野郎さ 豚の鳴き声な…

 蛙は口ゆえに蛇に飲み込まれる

知っているんだろう? 考えなければ勝てるということを そうさ 文化も思想もへったくれで あんなものはみんな見せ掛けだ そういうことに気づきさえしなければ 俺たちはいつだって幸せだったんだ そうさこいつはとんだお節介 蛙は口ゆえに蛇に飲み込まれた 俺…